2012年10月18日 (木)

好みの問題

「天才」の演奏だけが素晴らしいとは限りません。実際、私が本当に心が震えるほどに感動した演奏は、「天才」の奏でるそれではありませんでした。

はじめにパイプオルガンを教わったのは、当時神戸松蔭女子大学のチャペルオルガニストと講師をなさっておられた、長谷川美保先生でした。キュートで小柄な身体に、濃い色目のパンツスーツのコントラストが素敵でした。レッスンもとてもわかりやすく、お話も、教えるのもお上手です。もう一度パイプオルガンを勉強する機会に恵まれたなら、迷わず長谷川先生にお願いしたいと思うくらい。

在籍中に先生がスウェーリンクのオルガンの曲を集めて演奏なさるコンサートを聴きに行ったときのこと。その頃の私は、毎週真面目に練習に通い、それなりに足も動くようになってきて、バッハ以前のバロックやそもそもパイプオルガンを聴く経験値も少しは上がっていました。しかしながら、当時はちょうど生活サイクルが変わったばかりで、神戸松蔭での勉強に100%注力することができずにもいました。

長谷川先生の演奏は、私がいつも弾いているパイプオルガンと同じとは思えませんでした。この楽器には、こんなに表現力があり、もっといろんな音楽を奏でる可能性があるのか。そんな事にも気付いていなかったのね…。

そしてスウェーリンクの半音階的幻想曲。恥ずかしながら予習もせずに行ってしまいました。にもかかわらず、例えて言うならば言葉を理解するような感覚で、先生からのメッセージが音を介して頭に、心に入ってきました。先生ご自身もこの曲とスウェーリンクを理解するために勉強をされたこと、どのように伝えるのか試行錯誤と練習を重ねて1つの「答え」を出したこと、さらにその答えを確実に表現するために自分に厳しく、極限まで挑戦し続けたこと…それらがこの素晴らしい演奏に凝縮されていました。

純粋に音楽に対する感動、それに対する自分の小ささ…気がつくと不覚にも涙が出ていました。普段でも滅多に泣くことのない私が。だからコンサートは油断できない。一期一会のこの瞬間に、弾き手と聴き手のコンディションにより、不思議な化学反応が起きるのです。

あえて言うなら「秀才」とでも言うのでしょうか。人類の中でほんの一握りの人間である「天才」の非の打ち所の無い演奏よりも、こんな人間臭い「秀才」の演奏の方が、好きみたい。なんて、実はただ単に聴き手の好みの問題なのかもしれないけれど。

しかしですね。結論を出すには、まだまだ早い。もっとたくさん演奏を聴いて、いろんなことを勉強するのだあー。

2012年10月16日 (火)

ノーベル賞とバッハメダル

iPS細胞がどんなもので、この発見がどんなにミラクルな事なのか、薄ボンヤリとしかわかっていませんが、ノーベル賞ですから、きっとスゴイのです。飴の会社じゃないよ。

何しろこういう学問はまったく知識がないので、新聞の第1面程度の浅い知識しかありませんが、この万能細胞がノーベル賞受賞で実用化されるスピードが早まったのは間違い無さそうです。実用化されると、とってもたくさんの人を救う事が出来る研究だというのも理解できています。

普段テレビを見ないので、「動く山中教授」を見たことはありませんが、すんごいいいヒトなんやね。あふれる才能に加え、人並み以上の努力と熱意、グループのリーダーとしての資質を十分に発揮しながら、それでいてどこまでも謙虚で誠実。このようなお祭り騒ぎに飲み込まれた場合、自己が肥大してしまい残念な天狗さんになってしまう人も多いでしょうけど、山中教授はそのような危うさが感じられません。「あー早く研究したい」とか思っておられるのではないしょうか。

一方、あまり知られてはいませんが、バッハ生誕の地、ドイツのライプツィヒで、毎年バッハ研究に貢献した人物を讃え「バッハメダル」なるものを授与しているそうです。今年の受賞者はバッハ・コレギウム・ジャパンの鈴木雅明先生。神戸松蔭女子大学チャペルで行っておられるカンタータ全曲演奏がついに次回で終演を迎えます。

私が神戸松蔭女子大学に教会音楽コースの科目履修生として在籍していた時に、バッハに関する講義とパイプオルガンの実技を担当してくださったのが鈴木雅明先生でした。そやねん、一応、「門下生」という名目でDMを頂いたりして…今はきてません。良かった。畏れ多すぎるっちゅうねん。大学のチャペルでは、レクチャーコンサートと題して、ほぼ毎月お話と演奏が行われます。鈴木先生がご担当されることもあります。聴くたびに思うこと、それは

「ああ、天才って、こういう人なんや…」

なんだろう。音楽に向かって、脳が「ぱかーーーー」と開きっぱなしになっているような感じです。私が日々鍵盤を上げたり下げたりしながらアレコレアレコレ考えたり試みたりして、少しでも通じようとしている「音楽」だとか「作曲家」だとかに、アレコレすることもなく、精神も技能もダイレクトに繋がっている。

しかし、驕り高ぶる事が無い。昨年、バッハのオルガンミサ全曲を松陰のチャペルで演奏されたのを聴きに行きました。もちろん演奏も素晴らしかったのですが、一番感動したのは、演奏を終えてお客様の輪に歩み寄り、皆さんと談笑なさっているお姿。熱狂的なファンにも暖かく、かつスマートに対応されているところのこの台詞。

「いやでもね、またオルガンミサをこのチャペルでやって良かったです。とても勉強になりました。」

感涙。

東京芸大で古楽科を設立し、後任を育てたら「演奏に専念したいから」とアッサリ退任し、いまや先生の授業はイエール大学でなければ受けられません。バッハメダルだけではありません。ドイツからの勲章などももらっておられます。そんな人がこの謙虚さ。

話の尽きないお客様を放っておいて自分だけ帰るような事もなさいません。「さあ、このあたりでお開きにしましょう」と両手を広げてゼスチャーし、自然にまとめてしまいます。

かっこ良すぎ…(*´Д`*)

山中教授の才能と謙虚さとダブるところがとってもあります。クール。ホンマにかっこいい。

天才であることは真似できないけど、感謝を忘れず謙虚に生きることはできるはず。見習うべきところはたくさんあります。こんな素敵に年を重ねたいです。

でねー。鈴木先生は、息子さんとBCJのメンバーとで、2台のチェンバロのバッハの協奏曲のコンサートを開かれます。チケット取っちゃったぁ~。うふうふうふ。楽しみっ。

2012年8月28日 (火)

トーンチャイム

グループレッスン2日目です。

今日のレッスンは、こちらからスタート。グランドピアノの後方に置かれているブツ。

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スーツケース!……ではありません。

Tc02
トーンチャイム~。

発表会では1年ぶり…くらいの登場です。棒の中には音叉が入っていて、透明で涼やかな音がします。今回は人数が少ないし、初めての方や小さい子も多いので、あまり複雑な事はできません。

つことで「秋の歌」。
いつもならハーモニーも奏でますが、んんんーー今回はどうしよっかな…
ん!! メドレー。メドレーにしよ。

トーンチャイムの音色なら、単旋律でも聴き応えがあります。短い曲だと、いつもは単旋律→ハーモニーをつけてアレンジ、なのですが、今回はメロディのみで次々に曲を変えてみよっと。

つことで「秋の歌」、他に思いつく人ーーー。
「柿!」…柿の歌…? 無いやろ。
「松茸!」…それも無いやろ。
「タケノコ!!」それ春。
「栗」………おっ!! 大きな栗の木の下で!!!

てゆっか食べ物ばっかだね…

もう1曲、食べ物でないものも追加。いや食べる事もありますが、あまり食べないもの。曲追加なのでぇ、

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自分の弾く音をチェック~。

…なんでみんな、そんな端っこに?
「挟まりたいねん。」そうなんや…ま、止めないけどね…

トーンチャイムの皆様は、これから毎週1回合わせの練習がありますよ。

「先生、発表会の曲の弾き合いは?」あうち。時間なくなった。ごめん…みんな毎週会うから、次の時!

スーツケースのような物の奥にある、黒いボックスはミュージックベル。ハンドベルの小さいものです。どちらも25音あります。ミュージックベルは25音タイプのものでも銀メッキのものが一番お高く、音色が綺麗です。教室にあるのもそのタイプ。

ミュージックベル(ハンドベルの小さいの)とトーンチャイムの最大の違いは、音色の次に、扱いやすさと思っています。ベルは打つたびに金属が減るようで、音が狂ってきます。銀メッキの持ち手も手袋をしないと腐食してきます。その点、トーンチャイムは音の狂いもなく、腐食もしません。お値段も同じですので、教室で使うなら、ハンドベルと合奏する予定がなければ、トーンチャイムがお勧めです。

音が綺麗でよく響くので、単旋律でもピアノの伴奏が要りません。むしろ無い方がいいんじゃないかなあ。いつも私は伴奏しません。指揮もしません。それでも合うところがミソです。タイミングを合わせてお辞儀をするところから、アンサンブルです。

みんな一緒なので、レッスンも爆笑の渦。発表会まで、仲良く楽しくがんばりましょー。

2012年3月 3日 (土)

パン

すっかりお気に入りの癒し空間、いつもお世話になっております美容室のオープン7周年記念パーティに参加してきましたぁ~。スタイリストさんたちご自身で企画運営なさっているのです。すっごいなあ。

会場は、お店の近くの古本屋さん。

………古本屋さん?? 福屋書店ではなく?←

めっちゃ気になる。その時点でもうツボってる。

「LIVEもあるんですよ。うちのオーナー知り合いのアーティストさんお招きして」古本屋で?

「スリランカカレーのお店を出す予定にしてらっしゃるご夫婦もカレーを作ってくださるんです。WEBだけの洋菓子屋さんとか、ドイツパンのお店も。アクセサリーや服も販売してます。」スタイリストさんたちのお知り合いとか、お客さんとか、皆さん美容室とつながりのある方々なんだそうで…うわあ、そういうの、すっごい好き。行く行く行く。

この美容室を教えてくれたお友達と参戦~。

そしてパン。

スティールパン!!

Stealpan

叩かせてもらっちゃったあ~(はあと)

これはテノールパン。隣にチェロパンもあります。2台でのアンサンブル。スティールパンというと、私にとっては兄が連れて行ってくれた夏のジャズフェスが原体験。夏、かつ、フュージョン。スティールパンだけって始めてかも。わー面白い。ゴーシュという楽団の、山下ジュンさんが教えてくださいました。めちゃオモロイ人やったぁ。

カレーは1杯200円。チキンカレーだよん。

ドイツパンも買って食べたぁ。プレッツェル、うっまー。h backstubeという、都島のお店。

そして未食の鳩サブレ

Mignonne

…でわなく、スワンサブレでした。

上は、アイスの形のショートブレット。見た目だけでわかる。食べるまでもなく旨いよ、これは。

ふわっふわの生地のお洋服とか、可愛いアクセサリーやストラップ、それぞれ作った人がその場におられて、お話しを聞きながら買えたりします。

それに古本がいっぱ~い。当たり前~。FOLKという古本屋さんで、普段は本と喫茶が楽しめるそう。

パーティチケットは600円でワンドリンクつき。そしてなんと! 次回のトリートメント無料!! うひょーお得!!!

1つのお店から繋がる人たち、みんなが楽しんで、お得。いいなあ。こういうの、素敵。大好き。

よっしゃ明日もがんばろー。

2012年1月 1日 (日)

できること

東日本大震災で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。

今更ですが…ずっと心に引っかかっているわけです。まず、募金しました。東北に住む友人の作るさくらんぼを買わせてもらいました。ボランティアに行くと言っても時間も無く、作ればあるんだろうけれども、私が行く意味ってなんだろう。それよりも何か、今、ここで、できる何かが無いのか。

生きていくうえで、音楽は必要不可欠なものではありません。災害時に欠かせないものではない。

チャリティーコンサートって、ちょっと違うと思うんです。人を集めて、(電気を使って、)音楽をして、集まったお金を送る。なんか、違う。それなら募金でよくない?

「癒しの音楽」って、なんか違う。本当に困ったとき、天地がひっくりかえるような出来事があったとき、音楽を聴きたいとは思えないと思うんです。そこはむしろ無音で、ただ事実があるだけで。その現実、「あることそのまま」以上の何かを受け入れるほど人の脳も心も大きくは無いと思うのです。

だけど、その現実を内省化し、ある程度消化したところで、ふっと…「音」が聴こえてくる。今まで気付かなかった「音」が聴こえてくる。モノクロの世界からカラーの世界に蘇るような。次々と音が溢れ、紡ぎだされ、メロディーとなりハーモニーが加わり、そこで初めて、「音楽を聴きたい」と思えるような…少なくとも私にとっては、音楽とはそういうもののようです。

災害時に音楽は必要不可欠なものではない。食うに困るほどの状況では必要ではないのです。

で、改めて。私に、今、ここ大阪で、できることは何か。そう思って企画したのがクリパ! だったりします。書くか書かないか、すごーく迷っているんですが、今も…まあ、書きます。

例えば災害時。ただ救助を待つだけではなく、自ら行動し、自ら人々をとりまとめる能力と経験のある人材が必要ではないか。教える立場にある私が、そういうことを次の世代に伝えられないか。

クリパ! の企画、運営を子供たちに任せることで、少しでも経験を積んでもらえないかなと思ったのです。

甘かったです正直。常に考えてはいるんです、子供たちに生きる力をつけてほしいと。リトミックを学んでから、その意識はずいぶん大きくなりました。しかし現実には「ピアノを弾くこと」以外のことに着目しすぎて本筋から離れ過ぎてしまっていないかと我に返ったり、迷ったり、戻ったり、その繰り返しです。

クリパ! でも、そうでした。具体的に書くと長くなるので割愛しますが、やっぱり結局、教えることより教わることの方が多いです。

だけどね、うん。やはり書きましょう。一応、そういうことを考えて、もがいているんだ、てこと。未熟な自分を晒すようですが、それも全部、見てもらお。こんな私ですが、通ってきてくださる皆さん一人一人のこと、精一杯考えてるんだよーってこと…

ずーーっと考えてるのにね、なかなかまとまりません。このへんで一旦、文にしておきます。この先は、これからも試行錯誤しながら皆さんと共に歩んでいきたいと思います。

今年もよろしくお願いします。

2006年10月29日 (日)

子どもの本フェスティバル

 「たにぞうのあそびコンサート」目当てで行ってきました。面白かったぁ! NHKの「お母さんと一緒の体操「のお兄さんとして有名になった佐藤弘道さんが出演されてる「リカルデントガム」の宣伝の振り付けも作ったそうです。 中川ひろたかさんの「ぼくのつくった歌と絵本」という催しもあり、それも見たけれど、私は、たにぞうさんの方が楽しかった~。

 お二人の絵本やCDも即売されていたけれど、CD付の本だけは買わないぞ(高いから)! 思っていたのに…クリスマス会に使えそうなのが1冊あり、CD付にもかかわらず、購入してしまいました…。幼稚園クラスのゲームにアレンジして使っちゃいそうなので何の本かは内緒。その場で買うとサインと握手をしてもらえるので、中川さんのサインを貰い、さらにその辺をぶらぶらしてらした、たにぞうさんを無理矢理捕まえ、サインまで貰っちゃった! 「この絵、書いちゃダメって医者には言われてるんだけど」と言いながら象さんのお尻のイラスト付。二人揃ってのサイン本ってそうはないんじゃないかな~? へっへっへ~ヤフオクで売れるかな~(嘘)。

 「自然とふれあう子ども教室」では、木の枝を使ってこんなのを作りました。

Kotori

あらかじめ、木を顔のパーツ、身体のパーツ、とそれぞれに
切って置いて下さっているので、それをボンドで貼り付けるだけ。
すごく簡単で、小さなお子さんでもすぐに作れます。

 面白そうな絵本もたくさんあったけど、それは我慢。そのうち増やそう。とか言いながら「のだめカンタービレ」が並び始めたりして…(^_^;。ネタ集めとおぼしき保育士さん、幼稚園講師さんらしき方たちもおられましたが、でもやっぱり、こういうのは、やっぱり家族で行くのがいいですね~。

2006年10月20日 (金)

招待コンサート

 友人がダンサーとして出演するから、とチケットをくれたので、観にいった。チラシを見ても「何すんのかよくわかんないな…」と思っていたのだが、要はシャンソン歌手のコンサート。2部構成なんだけど、すごいのは1部が「歌芝居」と題されていて、お話になっているところ。2部は普通のコンサート。こっちのダンス、カッコよかったよ!あっこちゃん(私信)。

 バックバンドはギター・グランドピアノ・ベース、ドラム、キーボード、ゲストに津軽三味線。1部は…何というか…ホントーに思うがままに作ってみはったんやな~という感じ。感情と臨場感、たっぷり。どの曲もとても大切な宝物なんだ、という気持ちがいっぱい。構成は、台詞だけでまったく動きも伴奏もないところもあり、レチタティーヴォのような伴奏と歌があり(シャンソンはもともとこういう風に歌う曲があるんだろうと思う…聴かないから知らないけど…)、ここをレチタティーヴォだと思えば、1曲歌うところはアリアのようであり、さながら「オペラ・コミック」といったところ。そういえばオペラの発祥は「ジングシュピール(歌芝居)」から…とかなんか大昔にレポートで書いたような気が。

 途中で日舞もあり、最初の踊りがワルツ風の3拍子ですごく驚いた。日舞で3拍子ってあるのかな? 日舞も未知の世界なのでよくわかんないんだけど。

  2部は普通のライヴ形式。途中、津軽三味線のソロあり。これが…なんでPA通しちゃったの? という気がするんだけど…私だけ? 津軽三味線のパワーと厚生年金のあのホールの音響なら、生の音でも十分響くと思うんだけど…無理だったのかな。生の音が聴きたかったなあ…。

 今回のとは関係ないけど、ピアノの発表会で「ピアノ独奏の時はPAはどうしますか?」と聞かれたことがある。「は? いりませんけど?」と不思議そうにしてたら「ピアノ独奏の時もPA通してくださいって言われる先生もおわれるので」って。ふうーん…何で?

 ま、それはともかく。いろいろ面白かったです! 歌はもちろん、上手かったよ~。

accoコンサート2006
1部:歌芝居:浪花遊女物語
2部:唄に託して
It do'nt mean a thing、OLDIES MEDLEY
津軽じょんがら節、朝日のあたる家
Kennedy Rose、赤いくつ、月の砂漠、故郷、ひとさし指のシャボン玉

2006年10月15日 (日)

ブラスバンド

 区民祭りの出し物の、区内の中学校高校のブラスバンド大会を聴きに行った。生徒が一人、ブラスバンド部に入っているので応援(って聴いてるだけだけど)に行ってきたのだ。

 生徒の学校のブラスバンド部の人数は結構多め。区内の学校のブラスバンド人口は増えつつあるんだそうで。へえ~そうなのか~。その学校は特に厳しいのか、毎日部活があって、最初のクラブ説明会の時に「忙しいクラブだから、他の習い事は全部諦めてください」と言われるんだそうで。そんな中でも隔週だけどピアノのレッスンに通ってきてくれてるし、ちゃんと練習もしてきてくれる。さすがに発表会には出られないけど、両立してえらいな~と感心してました。舞台の上でも演奏前はずっと笑顔。本当に音楽が好きなんだな~。でも自分のソロパートは緊張してたみたい。すぐ顔に出るからわかっちゃう(笑)。

 受験生なのでもうすぐ引退。高校もブラスバンド部のさかんなところに進んで、続けられたらいいのにね~。昨日とはうってかわって、心温まる微笑ましい演奏でした。

2006年10月14日 (土)

生ヴァイオリン!

 たまたまチケットを頂いたので、前橋汀子さんのヴァイオリンのコンサートに友人と共に行った。生ヴァイオリン、久しぶり!

 最初のモーツァルト、何だか音が良くない…モーツァルトはどこまでも美しい音色で最後に「とろっ」と溶けるようなフレーズ感で、というのが、上手く説明できないが私の理想で。ピアノ伴奏の方は素晴しかったのだが…。

 次のベートーヴェンのソナタ「クロイツェル」、実は生演奏で全曲聴くのは初めて(^_^; いやー聴き応えありました。そして何と、モーツァルトのソナタもこれも、ヴァイオリン暗譜! すっごい! そしてピアノとの息もピッタリあって、ピアノもヴァイオリンも全然危なげが無い。「これでもうお腹いっぱいやな~。もうアンコール始まりそうな気分」と友人と笑っていた。

 休憩後、ドヴォルザークの小品を2曲、そしてヴィターリのシャコンヌ。うーんこれもすごい。でもあんまりバロックって感じがしないのは何故(^_^; 「あれだけメロディとリズムが変わるのに、テンポを思いっきり動かして、それでもピアノの人が普通についてきててすごい」と友人。うん、私もそう思った~。

 あとはクライスラーの小品を5曲。どれも有名なものばかりでこれだけで「昼下がりのアフタヌーンコンサート」ができそうな感じ。しかし前のヴィターリのあたりから、ヴァイオリンがやっと鳴り出したようで、すごく音色が綺麗! アンコールは5曲も弾いてくれて、何の曲だったかな…うわあもう忘れてる(^_^; まあとにかく、その時の音色が一番素晴しかったように思う。超絶技巧のヴァイオリンテクを見せてもらうのも悪くないのだが、やはり音色でうっとりさせて欲しい。

 「それにしてもやっぱりよく動く人やな~」というのが友人の感想。前橋さんのついでに言うと、本当にお若い! 白の可愛いドレスが似合うなんて卑怯だ…。全体を通して感じたのは、モーツァルトとベートーヴェンとヴィターリの違いがあまり無かった事が不満かな…。「ベートーヴェンの時、もっとピアノの人もベートーヴェンちっくに弾けば良かったと思わない?」と友人に話すと「いや、あのヴァイオリンでピアノまで頑張っちゃったら濃すぎて疲れると思う」むーなるほど。確かにヴァイオリンとピアノのバランスは常に素晴しく、練りこんだ演奏だった。

 友人はヴァイオリンも少し弾けるので「モーツァルトの時、楽器の調子よくなかったんじゃないかな~?やたらと楽器を覗き込んでなかった?」うーん…覚えてない。でもノイズ多かったし音は綺麗じゃなかった。最後に行けば行くほど楽器が歌いだしたように思うので、そうなのかも。リハが押してて、座席へ入れる時間が遅くなっていたこともあり、「楽器調子悪くて弦張り替えてはったんじゃない?」と友人。うむ、納得。マイヴァイオリンでもいろいろあるのね。アコースティックな楽器は大変だ。

 久々の生ヴァイオリンで大満足。充実してました~。

本日の演奏:前橋汀子アフタヌーン・コンサート(ピアノ:加藤洋之)
モーツァルト:ヴァイオリンソナタ25番 G-dur K.301
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ9番 As-dur op.47 「クロイツェル」
ドヴォルザーク:わが母の教え給いし歌、スラブ舞曲op.72-2
ヴィターリ:シャコンヌ g-moll
クライスラー:中国の太鼓、愛の喜び、愛の悲しみ、美しきロスマリン、ジプシーの女

会場:神戸松方ホール