« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »

2012年2月27日 (月)

半開

ベートーベン:「大公」1楽章

アトラスちゃんの側板を接着する日は別に設定し、本日の本命、C5。

「弦を切ったところ以外は特に調律必要なさそうなんですが…」怪訝そうにする荒木さん。んっとね、パネルに合わせて調整して欲しいんです。絨毯にあわせて音を整えてらっしゃるはずだから、パネルに合わせてもらってください、と片山さんからのお達しです。

そうそう、パネル。パネルに関するエントリはこちら

外した状態にして荒木さんをお迎えしました。パネルの無い、今まで通りの状態の音を確かめてもらってから、「床に2枚置いて使うものです」とのことでしたので、その通りに設置。

「パネルがどういうものかというのは、連絡頂いてるんですが…。なるほど。置いた方がバランスとれてますね!」そうなんか~すごいな~。なんか物足りない気がするんですが。

「その響きに慣れてたからでしょう」そうなんか~慣れがなくなるくらいまで間隔おいたつもりだったけど~そうなんか~。そう簡単に今までの記憶がなくなるもんではないわな~。

「蓋、開けますね。うわっ!!」音圧がすごいらしいです。ふーん? 今までそんなリアクションなかったのに…C5、ますます良く鳴るコになってきたのかな?

「これ、ちょっと響きすぎですね。閉めると…」なんか切ないです。

「半開にすると…あ、これでいいんじゃないですか? どうですか? これからは普段、半開で弾いてもらえますか?」おお。半開。うぃっす。わっかりやした。

Hankai

蓋、半開のC5。下に見えるのがパネル。

つーか、普段…全開で調律していただいていたような気がします…ほんで、しばらくは全開とはいかないものの、半開くらいにして弾くのだけど、だんだんうるさくなってきて閉めっぱーで弾いていたような。ていうか、そうでした。んんーーーそもそも蓋の扱いを間違っていましたね、私。ものすごく反省です。

ちょっと奥さん、ピアノの蓋を開けても閉めても、音量(デシベル)は変わらないんですってよ。知ってらした?

私などは、知ってても、違うように感じちゃいますが…半開か。ふむふむ。

とか思っている間に、サクサクと調整をなさいます。サクサクと音が変わっていきます。世間話をしている途中に聴こえる音が変わっていく様はいつもとっても楽しいです。調整終了の合図のように、お得意の曲を弾いてくださいます。えへへ~この瞬間、好き~嬉しい~。

「弾いてみてください」うぃっす。もう聴いただけで綺麗なんですけど、弾きましょう。ああ~切なさとか物足りなさが無くなった。ちょっと私には音圧(ですか?)が強い気がしますが、慣れかな、それこそ。んっと、曲、曲…なんか…曲を弾いてみたい。ドビュッシーかな。

ん? メロディが浮かばないよ。んん? んんん? あ、これ。そうそう、これ。

思い出したのは「大公」。冒頭がどう弾いても汚くて、どうやっても美しくなくて、手や体格のキャパの無さもさることながら、技量の無さとか、いろんなものに打ちのめされてたのですが。

「わっ!! 綺麗!!!」思わず声に出しちゃいました。パネルだけで~調律だけで~こんなに変わるんか~。

一流のコンサートホールでのコンサートでは、「音響」「調律」「奏者」すべてが揃って音楽を奏でるのです。こういうことか~。

譜読みの終わった「大公」はアトラスちゃんでの練習を封じ、常にC5で行う予定なのです。ペダル無しで、腕や身体の重みだけで弾く練習をひたすら行っておりましたが「ペダルを用いよ」との命を受け、調律翌日からペダルを使ってみました。

? 

なんか、

あら?

どこを聴いたら良いの?←迷子

数日間はこの調子でピントがぼけて、ビックリして弾くのをやめてました。しかしですね! やっと耳が慣れましたよ! 音量にも慣れてきました。そうしましたら! 上行かつデクレッシェンドの昇天メロディ、魂の浄化を思わせるようなコーダ…おおーーこれやーー! ベートーベン独特のアドレナリン放出~!!!

パネル作製は、防音室の明和片山さん。

調律は、うたまくら.荒木さん。

あとは奏者…ワタクシ次第なのね。がんばるぞ。要するに、いっぱいピアノ弾いちゃうぞ(≧∇≦)←結局ソコ

2012年2月25日 (土)

eccentric

ドビュッシー:前奏曲第2巻6番「風変わりなラヴィーヌ将軍」

♪エーキセントリック、エーキセントリック、エーキセントリック少年ボ~ウイ♪

これ歌える人、私と同じニオイがします( ̄ー ̄)ニヤリ。まあ、少年ではなく将軍なんですが。いつの間にか増えました新しい宿題です。すでに譜読みは終わっております。アトラスちゃんで(はあと)。

こっれはなっかなか…打鍵速度が速くなります。嘘かホントか、打鍵速度が速い方だといわれたことがありますが、MAX出したくなります。しかも芯のある音で、極細だけど深く刺したい。メロディとのコントラストを(自分の)限界までつけたい。

しかもエキセントリック。奇天烈に。うっひゃーーーどないしたろーーーー(←大喜び)

とか言いながら、まだ全然ゆっくりで、ごくフツーに弾いてるんですけどね。この期間にじっくり音の運びを確かめておくと、あとでなんか降ってくるような気がします。

一方でもう一つ、だいたい譜読みが終わったラスボス「花火」。こーれーはー、そーりゃーもー、どんだけ移動速度上げればいいんですかーいつか火花散りますかあーーーー??(激涙)

という、何となくピアノに厳しい感じの練習を主にアトラスちゃんで行っていますと、「ジーー」という、弦が響きっぱなしのような、金属音が止まらず鳴り続けるような異音が。しかもこれ、再現性がなかなかない。でもでも、

「ドラえもぉーん、何とかしてよお~」♪チャチャチャチャッチャチャ~

荒木さん登場~。

「異音、鳴ってませんね」はい。再現性がイマイチないんです。

ピアノの後ろに落ちたものが共鳴しているかもしれないので、ピアノを動かして拾ったり、天板のヒンジからの異音かもしれないと叩いてみたり。ヒンジでしょう、ということで元に戻そうと荒木さんがピアノを担いだところ、

「ミシッ!」

「えっ??」な、なんすか?

側板をコンコン叩きながら点検する荒木さん。

「あ! これ、外れてます!!」なぬーーーーー!!!

Sukima1

厚めの紙が余裕で挟まってます。

向こう側が見えるほどの外れっぷり。後ろから見ると、こう。

Sukima2

eccentric!!!

…こういう場合は使わないのかな、この単語。まあいいや。白い厚紙の上に隙間ができているのが確認できます。

異音はここから発生していたようです。接着剤を流し込み、乾くまで専用の道具で両側を押さえておくのだそうです。1日で接着するそうです。

「で、近いうちに整音をさせてください。ものすごく弾いてらっしゃいますよね?」ん? んん? まあ…弾くのは私だけですけど…

結構弾いてますよね??」あ、はい…

「ハンマーのフェルトが固くなってしまってます。元からほぐしてやらないと、すぐ固くなるので、これはちょっとお時間ください」はいぃ…

今まで忘れられていたアトラスちゃん。急に叩き起こされたうえ、ケークウォークのリズムで、eccentric。ごめんね。

しかし今日、荒木さんにお越しくださいました本命は、グランドピアノ。整音パネルの仕上げにお越しいただいたのです。どのように変わるのか、それは次のエントリで…

2012年2月24日 (金)

料金改定のお願い

レッスン料金を見直し改定致します。教室始まって以来、はじめてのことです。

年間44回のスタンダードなレッスンの場合、現在はレベル別6段階の料金設定ですが、当教室で使っている教材や教本がお一人お一人違うこともあり、ご自分の「レベル」がわかりづらく、レッスン時間別3段階の料金設定に見直しました。

ほとんどの方は変更ございませんが、実質値下げ、あるいは値上げに該当する方もおられます。レッスンの時にご説明しご案内をお渡しします。

フリーレッスンも見直しました。料金設定は同じくレッスン時間により変わります。現在は4回分のチケット制ですが、これを廃止し、ワンレッスン制になります。受験などでお忙しく、毎週のレッスンが難しくなっても、気軽に続けていただけるようになればと思っています。お仕事でお忙しい大人の方も、チケット制とは違い有効期限がないので、レッスンを続けるにあたって負担が少なくなるのではと思います。

年間44回のレッスンの料金改定は4月1日より、ワンレッスンへの以降は既納入分のレッスンが終わり次第随時変更とさせて頂きます。

ご不明な点がございましたらお気軽にお問合せください。

2012年2月21日 (火)

人と音

お寺に行きました。えっと、連休の2日目に。

ちょっと大きな禅寺で、「一休さん」に出てくるような、鐘があります。鐘の下には「ぎゃーてーぎゃーてーと唱えるべし」というような、鐘をつくにあたってのお作法が書いてあります。都合2回、鐘を鳴らすようです。

同行の70代紳士(まあ私の父ですが)がつきます。

「バーーーン!!!」

わ! ビックリした!! 「大きい音鳴らしたるで!」的な邪念たっぷりの爆発音。鐘をつくポーズも、鳴らすというよりは壊しにかかってます。少なくとも108以上の煩悩の存在が感じられます。2回目も、ぶれることなく破壊音。

次いで高校生男子(まあ私の甥ですが)がつきます。

「コーーーーン…」

いい感じに力の抜けた高めの音がします。なんの念もなければ、濁りもありません。2回目も、ミラクルなタイミングで力を抜き、澄んだ心のない音が響きます。

大学生男子(まあ私の甥ですが)がつきます。

「ご、ごーーーーん?」

まさかの裏拍突き。棒を引くタイミングとつくタイミングが完全に真逆。すごいことするなあ。「お寺の人、2回鐘の音がするたびに『はい100円~』とか思うんかなあ」とか言うてるからや。あ、鐘をつくのにお金を100円お納めするシステムのようなのです。鐘の下のお作法に記されているらしいです。鐘の下に金を置くのです。2回目は普通に鳴りました。とっても「普通」な感じです。2回100円程度の音色です。ある意味ホッとします。

私は鐘を鳴らしていません。寒かったから←

本当は参拝も好きでうろうろするんですが、この日は大人しくしてました。寒かったから←←

人によって鐘の音色が違うんだなあ。ピッチも違ってたように思います。面白いなあ。

さ、帰ろう←寒いから

2012年2月12日 (日)

サイズ問題

ドビュッシー:前奏曲第2集12番「花火」

ドビュッシーの楽譜といえば白。白い表紙の音友。編者である安川加寿子さんのことを「手が小さかった。指先はいつも乾いていてベタつくことがなく、いつも鍵盤がサラサラした手触りだった」と亡恩師が教えてくれました。この楽譜の指番号も、手の大きい人には不合理なところが多いのですが、手が小さい私にはピッタリ。ほぼそのまま使います。

「花火」はその亡恩師を紹介してくださった地元の先生が、卒試で弾いた曲。「グリッサンドで鍵盤が血だらけになったわ」と聞き、「一生弾かないでおこう」と決意したものでした。

それをなんで譜読みしてるんかなあ? 宿題になったからだけどね…

いざ弾いてみると、グリッサンドよりも…なんか腰が痛いです。手も、変なところが痛みます。部分練習をすると、ものすごく身体が辛いところがいくつか…なんで?

あ! 身体が傾いてる…そりゃ腰が痛くなるわ。つーかこんな低音とか高音とかをこういう音型で弾くって、これ以上は手首が曲がりませんが? …ああっ!!!

腕が短いんや!!!

身長の低い私ですが、手が小さいだけでなく、指も腕も足も首も短いです。スニーカーも子供用。すべてのパーツがミニサイズでできています。目鼻も小さいよ。まさかこんなところでそれが問題になろうとは!!!

腕~腕~もう伸びないよ~お(涙) どうやって補お…

腕の稼動域を広げる方向で練習してみよ。柔軟性を高め、さらに移動速度を上げる。やっぱ身体の使い方やな。小菅さんみたいに重心が安定してないとな。

…とは言うものの、どうやったらいいんやろ…とりあえず腰に負担をかけない姿勢を保ちつつ、音抜けがないようにガチ弾き。とにかく弾くしかない。行き詰ったら考え直そっと。

2012年2月10日 (金)

ジンジャラー

今日もお寒うございます。

そんな時は! ショウガ! 生姜! ジンジャー!!!

粉末生姜がなければ生きていけません。コーヒーにも入れてしまう、かなりの末期症状です。コーヒーは安物のインスタントが最高です。安ければ安いほど合います。だんだん刺激が足りなくなってきて、生姜粉末の量の方が多くなってきます。いまやそんじょそこらの生姜入りの食べ物では生姜を検知できないほどです。

カーボンヒーターの前で丸くなりながら生姜珈琲をすすっているときにふと思いつきました。首振り機能を使わないので、ヒーター前がすっごく熱くなるんです。このカーボンヒーターの熱を使って、乾燥生姜を作ることは出来ないだろうか。

生の生姜と乾燥した生姜は効能が違います。漢方でも別物扱い。冬に欲しいのは乾燥生姜の温めパワー。

早速近所のスーパーの特売で買いました国産生姜をスライスし、カーボンヒーターの前で放置。

Ginger

カーボンの熱が写りこみ赤くなっております。

写真では見えませんが、うっすら湯気がたっています。生姜の香りが漂う~。触ってみると生姜が温かくなっています。

出かけるとき、寝るときはヒーターを消しますが、このまま2日間放置。1日だと生乾きなので2昼夜放置してみました。

Ginger2

こんなにちっちゃくなったよ!

お湯に浸すともどります。マグカップにひとつまみ入れて、戻ったところで飲むとウマー。残った生姜を、さらにカップスープや味噌を入れてお湯を注ぎ足し、食べるとまたウマー。出かける前に身体がホッカホカになります。今回のは触るとパキッと割れるほどの乾燥っぷり。味が楽しみ~。

2012年2月 3日 (金)

節分コンサート

小菅優さんのベートーベンソナタツィクルス3回目。前回と違ってお一人様でなく、今回はお友達と一緒。

やはり良いです。弦楽器みたいな音がするんです。ピアノじゃないみたい。低音から大き目の弦楽器を連想するような音が聴こえる。

タッチがシビア。

ものすごく研究なさっている。楽器のことも、歴史も。

「13番、13番! あれ良かった!」点数のカライお友達の感想。良かったと言ってもらえてお誘いしてよかったです~うん、あれ凄かったね! 私も13番がキタ。

「月光は想定内」すげ。そんなアンタがカッコイイわ。次、ワルトシュタインやで(二人とも弾いてない、いつか攻めたい共通の曲)

「ん~何となく想像できるかな…ワルトシュタインは」すげ。やっぱアンタが一番カッコイイわ。や、でも、すごかったやん? 月光3楽章のインテンポ。5の指やな、5の指。そして「チャッチャッ」。「チャッチャッ」までは聴音できない感じで「チャッチャッ」、しかし和声感は損なわない。これやな。ほんで、

「フェルマータまでインテンポ!!」(二人で絶叫)

今回は教室の中学生の生徒さんもお誘いしました。初コンサートだったとは知らず…いきなりベートーベンのソナタだけのリサイタルなんて渋いもの、大丈夫だったかな。これを機に、たくさん聴きに行ってください。

小菅さんのリサイタルは、お客様もマナーがよく、会場内にも良い緊張感があります。いずみホールの大きさもよい。コンサートチューナーも荒木さん。「きんちゃーん」と声をかけて良いそうです。いろんな意味でオススメです。

節分レッスン

ハイドン、バッハ、ドビュッシー、ショパン。

この順でシュミレーション1回。1回だけかよっ。うん…なんか、無理でした。いろいろと。寒いし…ソコ?

またもやトボトボと、今年最初のレッスン受けてきました。ぜんっぜん弾ける気がしないです。弾ける気がしたこと、無いですけど、ノープランな気持ち。

結果。

ハイドン→「考えすぎ」「怖がりすぎ」→「これでおいといたげる」えっ? いいんですか?「この曲だけで勉強しなくちゃならないことはないから」ひー。

バッハ平均律1巻6番→「フーガ、合格じゃなかった?」いえ、プレリュードに見合う速さで弾くようにと「じゃ、プレリュードだけ残します。テクニックの練習ね」ひーーー。

バッハ平均律1巻9番プレリュード→レガート奏法で出直し。

バッハ平均律1巻9番フーガ→テーマの捉え方を正して出直し。

ドビュッシー前奏曲第1集「水の精」→「霧、水、と水が続いてるから、次は、火」→「花火」ぎやあああああ嫌だぁぁぁぁぁ~グリッサンド痛そうだよおおお~~~

ショパン練習曲Op.10-8→「弾けもしないのにそんなに速く弾かないの」→アウフタクトをきちんと感じて出直し。

変な癖がつく前に、もうちょっとマメに行った方がいいのかもしれない…と思いつつ、ポンパドウルでパンを買いました。うっかり買ってしまったひじきパン、わりかし美味しかったです。明日の朝は、イノセントだ! プレーンのイノセント置いてクダサイ!

« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »