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2012年1月25日 (水)

笑顔の魔法

ハイドン:ピアノソナタ31番 Hob.XVI-46番

ショボショボとした気持ちで練習して、ああでもないこうでもないと思っては進まず…レッスンの準備をして、ある日のレッスン。

「せんせい、『さよなら、おもち』とかいうの、して…」お母さんから「先生にお願いがあるんやろ、自分で言いなさい」と言われて、モジモジと一言。ああ! わかったよ! ♪「さよならあんころもちまたきなこ」パクッ! 覚えた? もっかい! ♪「さよならあんころもち」…あ、すごくギューッと手を握るね…♪「またきなこ、パクっ」…お! 手を離さなかったね? そっかあ、ニギニギしたかったのね!! 「また来てね」しっかりお顔を見て、もっかい手を握って。「さようなら」笑顔。

「上着着ないと、寒いよ」お母さんに言われても、初めてもらったピアノの本を持ったその手は離せない。そっか、今までテキストがなかったもんね。夜のお星様の絵、きらきらぼしの歌、乗り物の歌、いろんなものが書いてあるの、一緒に見ていたところだったね。「コート着る間だけ、先生が預かっておいてあげる!」やっと手を離してコートを着て…でも視線はピアノの本にロック。「はい」大急ぎで本を受け取り、胸に抱きしめて。「さようなら」笑顔。

「この前の演奏を録音したの、聴いてくれますか?」定演の? わあ、聴かせてくれるの? どやった? 「結構うまくいった」なに。それは聴かせてくれなきゃ。…本当だ、今まで聴いた中で一番良い。素直でまっすぐな演奏。いいなあ、こういうの。 「いいやん!」「ホントですか?」私、レッスンの最中にお世辞を言ったり嘘をついたりしないよ。これからの1年、すごく楽しみ。「ありがとうございました!さようなら!」笑顔。

本日のレッスン終了。すんごいピアノ弾きたくなったんですけど。バッハ。飾り気のない、シンプルなもの。

弾きながら思い出す、今日の笑顔。伝わる繋がる広がる、キモチ。握った手の暖かさ、信じる心。

ハイドン弾いてみよ。1楽章は、何となく決まりつつある。弾きながら考える、先生がおっしゃった「優しさ」。古典物の時に、必ず言われる…特に2楽章。なんか今、すごく穏やかな気持ちやで。なんやろ、2楽章弾いてみよ。

弾きながら思い出す、笑顔、ココロ。短調の響きは、反対に…ココロが枯れるような。なんか、わかんないけど、「優しさ」。こういうことかなあ…? ああ、これは違う。もっとこう、こんな…

わっ! 違う曲になったみたい! 2楽章、3楽章も「私が」目指す方向は見えた…ような気がする。 バラバラだった楽章が1つにまとまって曲になり…そうな、イメージ。

「もっとなんていうのかな、自分ていうもの、あるやろ?」そやった。先生もそうおっしゃってた。間違っててもいいわ。これでいってみよ。

んで、ニヤーッとイヤーな感じで、笑お。うし。えがお。

改心

ショパン:練習曲Op.10-8

「萌えがない」と書きました。宿題になったときのエントリで。学生時代に何度か弾こうとしては、違う曲を選んでしまい、最後までお付き合いできなかった曲です。革命と同じで、あまり好きじゃないから、と思ってました。「テクつければいいんやろ」的にガチ弾きばっかりしてました。

そろそろレッスン10日前近くなった今。そろそろ美しく弾く努力もせねばと思い、練習しなおしたところ、わかりました。

        すみません、憧れの曲の1つでした。

冒頭のキラキラしたトリル、くるくる回るような右手のパッセージ、洒落っ気たっぷりの左手のフレーズ…

無理。もう自分に無いもんばっかり。「萌えがない」なんてスカしたこと書いてすみませんでした。改心しました。本当は無理だからです。ええ、負け惜しみですとも!

同じショパンのバラード3番とか、自分には絶対合わない方向にある曲の1つでした。バラ3~何度途中まで弾いたことか~すんごい合わないんだよ~。

そやけどね。実は1回目のレッスンの時から、すでに音は頭に入ってます。楽譜見ないで弾けるの。「メトロノームの目盛が上がる感じ」も、まったく気のせいやったけど、毎日弾いているの。悔しいやん? 今回こそは! 最後まで向き合うぞ!!

2012年1月19日 (木)

アトラスちゃん

ハイドン:ピアノソナタ31番 Hob.XVI-46番

レッスン受講、2週間前です。合格を厳命されているハイドン、未だ見えず…何やろね…わかんないっす。フレーズごとに区切ってみたり、提示部だけ弾いてみたり、三重奏を聴いてみたり、いろいろやってはいますが…2楽章にいたっては弾くことさえできない。弾き始めても「なんだかわかんないけど違う」感じで挫折しちゃうんです。

練習は主に、アップライトで行います。4歳くらいの時に買ってもらった国産アップライトピアノ「アトラス」。

Atlas

MEISTERの名のとおり、最もお付き合いの長い、私の「先生」です。

このコを選ぶ時のことを覚えてます。たくさん並んでいるピアノのうち、両親が店員さんと相談して、2~3台に絞っていました。まあ一応、私が使うものなので、幼児とはいえ、訊かれるわけです。「どれがいい?」って。幼児なので、当然善し悪しなんかわかりません。まあ一応、弾きにくいものは避けます。あとは幼児ですから、ぶっちゃけ

見た目重視。

この猫脚、この色。特に色。赤に見えたり、黒に見えたり、ものすごく不思議で、このコだけトクベツに見えたんです。

グランドピアノを手に入れてからはメインで弾く機会が減ってしまったのですが、最近の練習のメインはアトラスちゃん。ものすごく愛らしい音がするんです。ハイドンのソナタがまた、よく合うんです(親バカ風に)。

どの曲も、譜読みは全部アトラスちゃん。私は背が低いので、グランドピアノの譜面台が高すぎるのです。下地作りもアトラスちゃん。グランドピアノよりもタッチが厳しいので、相当指がしっかりしてないと鳴ってくれません。よってバッハの練習は間際までアトラスちゃん。ショパンのエチュードのガッツリ弾きもアトラスちゃん。1音1音、気を抜かずに弾かないと鳴りません。

惜しむらくは、ペダルが使いにくいこと。ソフトペダルも効果が違うので、ドビュッシーの音作りはちょっと無理があります。でもドビュッシーも練習します。限界までこのコで練習してから、グランドピアノでペダルを使うと「違う曲?」と思うくらい、課題が見つかります。

ハイドンも、1楽章をこのコで弾くと萌え萌えなのですが、2楽章のペダルを踏みっぱーなところはちょっと無理。

あと2週間かーー。仕上げはグランドピアノです。仕上げっていうか、2楽章はそもそも練習をしなくちゃ…よし! 明日は弾くぞ2楽章! まずアトラスちゃんで! 明日もよろしくね!

2012年1月15日 (日)

新年最初のお友達(ピアノ関係無し)のお宅訪問~。夜はTVをみながらトマト鍋なんだよっ。

「出かける前にピアノの練習を済ませておくべし」

子どもの頃、母から受けた躾でした。ホントに守ってました。17時が門限だったので、普段の練習は帰ってすぐ、17時から。一日お出かけの日などに、この命が発令されたのです。こうやって決めていると、生活のリズムの中に練習時間が組み込まれるので、(ルーチンワークってやつ?)抵抗無く自ら練習に向かうことができました。

未だにそれは守ります。お友達のおうちに行く前に練習。遊ぶ前にはお勉強。本日もガッツリと練習します。おーーバッハの平均律9番、番号決まったしやっと何とか進みそう~。

さてお友達のおうちにしゅっぱーつ。

とうちゃーく(はやっ)

もうすぐお引越しなので、パンダのマークのダンボール箱がいっぱいでした。フライパンでトマト鍋。どーん!

Tomatonabe

児童虐待ではありませぬ。

カメラを向けるとVサインを出しニコヤカにしてくれたので、

「これ貼らんの?」と聞きましたら「オッケーオッケーわかったわかった」と指定もしてないのにオデコに貼り、いー感じにおさまってくれました。お引越しですのでね、不用品がいっぱいありましてね、家具に貼ってあったものを使っただけで。この子は必需品です!!!

ピアノの練習は済ませてあるし、心置きなくガッツリ食べて、おなかいっぱーい。

お友達と、お子様と、いっぱい遊んでもらいました。

お引越し先は今のお住まいからそう遠くないので、また遊びに行けるな~。またよろしくね。

2012年1月14日 (土)

マルチタスク

バッハ:平均律1巻6番、9番

イベントづいてますが、練習もしてます。してますが…年末から今まで、まったく進んでません。やった練習といえば、どれもこれもガッツリ、ハノン弾き。

理由があります。マルチタスクじゃないからです。不器用なんです、頭の中も。

クリパ! 直前までは何とか練習してたんです。しかし1週間切ったあたりから、イマイチ練習内容の記憶が無い。頭の中がイベント主催者モードになっちゃって、切り替わらないんです。こういう時は、ボーっと練習しちゃいます。気がついたら時間「だけ」が過ぎていたり。指だけが走って、打鍵した感覚と、空気とピアノの振動だけで満足してしまう。耳も心も麻痺して…寝てるんかな? ショパンのエチュードなんか格好の餌食です。メトロノームの目盛がぐんぐん上がる感じです。おっと、実際はそんなに上がらないです。気持ちね、そういう「感じ」。

もうアカン! てことで年末に、一番何とかしたい、6番のプレリュードを暗譜。

はっ!!!Σ( ̄ロ ̄lll) やっぱり聴こえてないとこがいっぱい…

そして今日。いい加減何とかしよう! フーガも暗譜や! 

うおおっ!!!!(lll゚Д゚) やっぱり全然聴いてなかった!!!

一方、ちっとも譜読みが進まない新曲、平均律1巻9番。フーガが、ヘンレ版の指使いだと弾きにくいことにやっと気付き、自分で考え直すもしっくりこず、春秋社版で弾きなおし、またヘンレに戻るという遠回り。消しゴム使いすぎ。もう嫌だ。もうこれで弾くもん(/_;)

ピアノの「旧約聖書」とも言われている、バッハの平均律。好きですよ~大好き。聴くの大好き。弾くのも楽しいです。弾くたびに新たな発見が。あちこちに宝物が。6番、やっと拾えそうな気がしてきた。明日も弾こ。

2012年1月10日 (火)

2012年の予定

本日1月10日の時点で決まっている予定は、以下の通り。

グループレッスン:3月26日(月)~4月7日(土)

発表会:2012年9月22日(土祝)アゼリア大正ホール←決定。

6月末までのお休み:2月11日(土祝)、3月20日(火祝)~24日(土)、4月30日(月)~5月5日(土)  ※お休みは変更することがあります。

PTNAのピアノステップ:希望者のみ、随時

2012年1月 6日 (金)

お部屋と音

ピアノの下にあるコレ。

Panel_2

「音響パネル」

防音室の明和サウンドデザイナー、片山さんが作ってくださいました。

同じピアノを同じ人が弾いても、お部屋が違うと響きが変わります。部屋の形状、壁や床や天井の材質などにより、変化します。

そういえば、発表会のホールなど、コンサートホールの壁には穴のようなデコボコがありますね。壁も天井もまっすぐじゃなかったりして。ものすごく簡単に言うと、良い響きになるように計算して作ってあるのです。

このパネルにも、同じような穴があります。布も特殊な加工をしていて、音を反射させたり吸音したりします。同じパネルではないのですが、片山さんのブログをご参考に。

パネルが教室にやってきた経緯は、ですね。お友達のおうちでピアノを弾いて遊んだりしていて、気になってきたのです。同じくらいの大きさの、同じようなピアノを同じ人がメンテナンスしているのに、響き方が違う。うちで弾くと、よく響くような、雑音が多いような…

もしかして、お部屋自体が鳴ってる?

そこで、メンテナンスでおなじみ、ピアノ技術者(調律師)、うたまくら.の荒木さんに明和の片山さんをご紹介いただいたのです。

お部屋の間取りと材質で、音の響きが計算できるんですって! 知らないことばかりで、お目にかかってお話しするたびに賢くなります、少し。いかに自分が音に対して無知で無神経だったか、思い知らされます。凹みます、少し。いえ、これから勉強すればいいのです。ゼロからの出発なら、伸びしろ大きいやん?

人の感覚はそれぞれ違います。私たちは感覚として捉えている「音」を、片山さんは理論的に捉えておられます。数値化できるのなら、平均的な音環境を決めて、「これが普通ですよ」押し付けてしまっても良さそうに思います。しかし、片山さんは絶対にそんなことはなさいません。人の好みもそれぞれ違います。「その人にとって心地よい音」を追求し続けるお姿に、本当に学ぶべきところが多いのです。

そしてこのパネルも、なななんと、うちの教室仕様なのです。大量生産モノではないのです。1枚1枚計算して作っておられるのですよ!!

「私にとって心地よい音」とは、何なのか。今、聴こえている音が気に入らないのは、弾き方が悪いのかピアノが悪いのか音響が悪いのか、いやいや、そもそも気に入らないというのが間違っているのか、どんな音なら気に入るのか…そんなことをぐるぐると考えながら弾いていると、とても集中します。

このパネルは、どこにでも移動できるのです。2枚あるので、1枚は床のまま、もう1枚は壁に立てかけたり、自分の後ろに立ててみたり、自由自在。あちこち置いては弾いて聴いて、試しているところです。ピアノとお部屋というと、ただ音が漏れないようにする「防音」「防音室」だけをイメージしてしまうのですが、音響を整えることもすごく大切なんですね。

パネルの効果を試してみたい方、一緒に勉強してくださる方は是非レッスンの時にお申し出ください。やってみよー!

もう一つ、変わったところがあるのよん。

Hondana

本棚登場~。

一番上にこれ見よがしに置いてるのは、お友達が持ってきてくれた「ピアノの誕生」についての漫画。パウチしてあります。もう本の中に入れちゃったよおん。見つけたら読んでね。

さあて! 2012年のレッスン、はじめますか!

2012年1月 5日 (木)

レッスン始め

明日から、レッスンです。
このようなものがピアノの下に。

Panel
これ、なーんだ?

2012年1月 4日 (水)

お茶のお供

お茶やコーヒーはそれ自体の味も大切ですが、一緒にいただくお茶菓子との相性もポイントです。

本年最初のお友達とのお茶は、ストロングコーヒー。ストロングっすよ。ほいコレ。

Parinko

ストロングコーヒーwithぱりんこ。

ぱりんこっすか。塩モノっすか。やーー……コーヒー美味しかったです。コーヒーが←

お友達はマイルドコーヒーです。見た目、一緒。マイルドコーヒーwithぱりんこ(一緒なので画像省略)。あ、でも、コスパ良いよ、うんうん。

ぱりんこかぁ……「雪の宿」でなくて良かったかな。お茶のお供、大切。

2012年1月 1日 (日)

できること

東日本大震災で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。

今更ですが…ずっと心に引っかかっているわけです。まず、募金しました。東北に住む友人の作るさくらんぼを買わせてもらいました。ボランティアに行くと言っても時間も無く、作ればあるんだろうけれども、私が行く意味ってなんだろう。それよりも何か、今、ここで、できる何かが無いのか。

生きていくうえで、音楽は必要不可欠なものではありません。災害時に欠かせないものではない。

チャリティーコンサートって、ちょっと違うと思うんです。人を集めて、(電気を使って、)音楽をして、集まったお金を送る。なんか、違う。それなら募金でよくない?

「癒しの音楽」って、なんか違う。本当に困ったとき、天地がひっくりかえるような出来事があったとき、音楽を聴きたいとは思えないと思うんです。そこはむしろ無音で、ただ事実があるだけで。その現実、「あることそのまま」以上の何かを受け入れるほど人の脳も心も大きくは無いと思うのです。

だけど、その現実を内省化し、ある程度消化したところで、ふっと…「音」が聴こえてくる。今まで気付かなかった「音」が聴こえてくる。モノクロの世界からカラーの世界に蘇るような。次々と音が溢れ、紡ぎだされ、メロディーとなりハーモニーが加わり、そこで初めて、「音楽を聴きたい」と思えるような…少なくとも私にとっては、音楽とはそういうもののようです。

災害時に音楽は必要不可欠なものではない。食うに困るほどの状況では必要ではないのです。

で、改めて。私に、今、ここ大阪で、できることは何か。そう思って企画したのがクリパ! だったりします。書くか書かないか、すごーく迷っているんですが、今も…まあ、書きます。

例えば災害時。ただ救助を待つだけではなく、自ら行動し、自ら人々をとりまとめる能力と経験のある人材が必要ではないか。教える立場にある私が、そういうことを次の世代に伝えられないか。

クリパ! の企画、運営を子供たちに任せることで、少しでも経験を積んでもらえないかなと思ったのです。

甘かったです正直。常に考えてはいるんです、子供たちに生きる力をつけてほしいと。リトミックを学んでから、その意識はずいぶん大きくなりました。しかし現実には「ピアノを弾くこと」以外のことに着目しすぎて本筋から離れ過ぎてしまっていないかと我に返ったり、迷ったり、戻ったり、その繰り返しです。

クリパ! でも、そうでした。具体的に書くと長くなるので割愛しますが、やっぱり結局、教えることより教わることの方が多いです。

だけどね、うん。やはり書きましょう。一応、そういうことを考えて、もがいているんだ、てこと。未熟な自分を晒すようですが、それも全部、見てもらお。こんな私ですが、通ってきてくださる皆さん一人一人のこと、精一杯考えてるんだよーってこと…

ずーーっと考えてるのにね、なかなかまとまりません。このへんで一旦、文にしておきます。この先は、これからも試行錯誤しながら皆さんと共に歩んでいきたいと思います。

今年もよろしくお願いします。

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